皆さん、こんにちは。
埼玉県久喜市の歯医者「ハートデンタルクリニック」歯科衛生士の秋庭です。
今年から私もコラムを担当することになりました。
コラム内では治療やメインテナンスで通院中の方から質問が多いものを軸に、医院の活動についても交えながら皆さまのお口の健康に役立つ情報を発信していきたいと思います。
よろしくお願いします!
まず1回目となる今回は
「歯ブラシとデンタルフロス(糸ようじ)を使う順番」についてのお話です。
デンタルフロス
因みに皆さんはフロスをご存じですか。
デンタルフロスは、お口の中の健康維持、疾患予防になくてはならないものです。
ここで世界のフロス事情について少しお話を…。
歯科疾患に対しての予防意識が高く、綺麗な口腔内を維持している方が多いアメリカ。
1998年アメリカの歯周病予防キャンペーンで
「Floss or Die!」(フロスしないと早死にしますよ)
と宣伝された程にアメリカではフロスの使用がすすめられ浸透しています。
アメリカには親日家の方が多くいますが、来日してまずびっくりするのは日本人の口臭だそうです。
日本人の口臭だけは耐えられない、と訴える方も多いと聞きます。
コロナ禍の今、マスク生活が必須になり自分の口臭にびっくりして歯科医院を受診する方も増えてきました。
フロスをすることは口臭予防にもなります。
歯ブラシが先かフロスが先か
皆さんはどちらだと思いますか。答えはズバリ
「フロスを先!歯ブラシは後に」です。
理由は2つ。
⒈ 面倒臭くなりがちなフロスを先にすることが習慣化に繋がること。
⒉ フロスを先に行うことで歯と歯の間が清潔になり、むし歯予防に欠かせないフッ素がむし歯多発部位の歯と歯の間に浸透し、歯が丈夫になるからです。
アメリカの歯周病学会での研究結果
実はこの「フロスが先か?歯ブラシが先か?」はアメリカの歯周病学会でも研究され結果が発表されています。
その結果は「フロスを先、歯ブラシは後」でした。
「フロスを歯磨き前に行うことが最も効果的にプラーク(歯垢)を除去出来る理想的な順序である。」という研究結果が報告されています。
デンタルフロスの有効性と使用率
デンタルフロスの有効性は、歯科業界では広く理解されている話です。
実際、歯ブラシのみでのプラーク(歯垢)除去率は60%。
フロスを併用するとプラーク(歯垢)除去率が80%まで上がります。
欧米では、半数以上がデンタルフロスを使用しています。
しかし、残念ながら日本でデンタルフロスを使用されている方は2割程度と言われています。
また、歯ブラシの宣伝は多いものの、フロスに特化した宣伝を目にすることはほぼありません。
使用されている方が少ないデンタルフロスですが、健康な口腔内を保つために不可欠と言えます。
フロスで歯と歯の間を清潔にしてから、フッ素入りの歯磨き粉や洗口液を使用して歯の表面だけでなく歯と歯の間も丈夫にしていきましょう。