皆さん、こんにちは。
久喜市の歯医者「ハートデンタルクリニック」院長の定岡です。
皆さんは「舌痛症」って聞いたことがありますか。
舌がヒリヒリ、ピリピリと痛む病気です。
発症頻度は100人に1〜3人ほどで、患者さんは中高年の女性が多いと言われています。
今回は舌痛症についてお伝えします。
舌痛症の特徴
・原因不明の舌のヒリヒリ感が続く。
・中高年女性の患者さんが多い。
・舌が何かに触れなくてもヒリヒリ感がある。
・痛みは多くの場合起きている間にあり、寝ているときにはない。
・食事中には悪化せず、痛みを感じないこともある。
・何かに集中しているときは痛みが減り、考え事をしているときなどに痛みが増す。
・朝よりも夕方から夜にかけて痛みが増しやすい。
・時間帯8日によって痛みの程度や場所が変わる。
・ロキソニンなどの鎮痛薬が効かない。
舌痛症は「こころ」が原因になることも
舌をやけどした場合は、舌から脳へシグナルが伝わり、脳の中で「痛い」という感覚が生まれます。
これが通常の痛みのネットワークです。
しかし、「からだの痛み」を司る大脳皮質と「こころの痛み」を司る大脳辺縁系は緊密に連携をとっているので、ストレスがかかりこころが痛くなると、からだが痛いという感覚が脳内で誤って生まれてしまうことがあります。
ですので、ストレスが強くかかった時に敏感なセンサーをもち、脳と膨大な情報をやりとりしている(舌はからだの中でも敏感な場所)舌が、「痛い」という感覚に脳が誤認識してしまうわけです。
治療の実際
・舌の痛みの増減がどんな時かをよく観察してもらう。
・口腔内や口腔周囲に炎症や腫瘍、および他の原因がないかを診察する。
・歯牙の鋭縁などが原因になっている可能性があれば、総合的に判断して削合する。
・正しい舌の位置を指導する。
・食いしばりや噛み締めも原因になることもあるので、必要と判断した場合は対策を行う。
当院にも舌痛症と疑われる患者さんは来院されます。
診査を行い、舌痛症の疑いがあることを伝え、原因などをよく説明します。
はじめは不安がられていますが、理解が深めるとだんだん症状が軽快していく方がほとんどです。
再発することもたまにありますが、「生活に支障の出ない範囲ならよし」と、うまく舌痛症と付き合う感覚も大切かもしれません。