当院では欧米でスタンダードとなっているパウダーによるバイオフィルム除去「パウダーメンテナンス」を採用しました。
すべての治療が終了した後、健康的な口腔内を維持するために必要なメンテナンスを一人ひとりに合わせて提供します。
メンテナンスの必要性
口腔内の健康は重要ですが、それを維持するのは簡単なことではありません。 口の中の細菌をすべて除去することは不可能なので、常に再発のリスクはあります。 細菌から身を守り、健康を維持するためには、メンテナンスが欠かせません。
メンテナンスの目的
菌数を増やさずに活動を抑制することが主な目的です。
そのため、バイオフィルム（歯にこびりついた細菌の塊）を完全に除去する必要があります。
歯の表面や根に付着した細菌は増殖してバイオフィルムを形成し、約3ヵ月で大きな塊になります。
バイオフィルムは抗生物質や防腐剤を通さない強靭なバリアで覆われているため、歯ブラシやデンタルリンスで除去することはできません。
バイオフィルムができるまで
- 歯の表面に虫歯菌や歯周病菌が付着します
- バイオフィルムが形成されまます
- その他の菌も取り込みバイオフィルムが成熟します。成熟したバイオフィルムには歯ブラシもデンタルリンスも効きません。
セルフケア
セルフケアは、患者さん自身が行う、家での歯磨きやデンタルフロス、デンタルリンスのことです。
しかし、お口の健康状態は人それぞれですので、当院では一人ひとりに合ったセルフケアの方法をアドバイスしています。
プロフェッショナルケア
プロフェッショナルケアはバイオフィルムを歯科で徹底的に除去することです。
歯並びによってセルフケアが困難なバイオフィルムや、歯面や歯根に付着したバイオフィルムを徹底的に除去し、その後のケアも行っています。
バイオフィルムを効果的に除去できるのはプロフェッショナルケアだけです。
PMTC（プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング）
PMTCは、予防先進国であるスウェーデンで提唱されているシステムで、歯科医師や歯科衛生士が専用の器具や材料を用いて、歯や歯根の表面を機械的に清掃し、バイオフィルムを完全に除去するものです。
これまでに多くの研究が行われ、臨床成績は着実に向上しています。
パウダーを使ったPMTC「パウダーメンテナンス」
これまでのPMTCは、回転する器具に研磨ブラシやラバーカップを取り付け、歯の表面に押し付けて研磨していました。
しかし、この方法では、歯間や深い歯周ポケット、歯肉から露出した根面などにきれいに塗布できず、バイオフィルムを完全に除去することは難しく、除去できる範囲にも限界があります。
また、研磨剤を使ったブラッシングは、歯や歯冠の表面を傷つけてバイオフィルムを付着しやすくしますし、ブラシやラバーカップは歯ぐきを傷つけるため、痛みの原因になることがあります。
施術中、装置の振動や圧力そのものを不快に感じる患者様もいらっしゃいます。
そのため、バイオフィルムを除去する唯一の方法であるPMTCを敬遠し、メンテナンスを中断してしまう患者さんもいらっしゃいます。
そこで当院では、欧米でスタンダードとなっている、水と空気で噴射するスプレーに非常に細かい粒状のパウダーを混ぜ、あらゆる表面からバイオフィルムを除去するPMTCを採用しています。
- パウダーを使ったPMTCのメリット
- ・歯のすき間、歯周ポケットの深部のバイオフィルムの除去が可能
- ・パウダーが細かく、歯や歯ぐきへのダメージが少ない
- ・パスダーはエリスリトールという無害な糖類なので体に安全
- ・研磨剤の苦味やざらつきがない
- ・PTMC中の振動や圧力がない
- ・治療時間が短い
パウダーメンテナンスの種類
- ペリオメイト
- ペリオメイトは薄くしなやかなノズル先端が歯頸部に沿ってカーブしているため、歯肉面や歯根面に挿入しやすく、患者さんの痛みを和らげることができます。
ノズルチップは使い捨てで、患者さんごとに交換することができます。
- プロフィーメイト
- プロフィーメイトはツインノズルを採用し、強力な噴霧を実現しました。
フラッシュパールと併用することで、高い洗浄効果が期待できます。
また、ノズルの先端を長く小さくすることで、歯面へのアクセスを大幅に向上させました。
メンテナンスは
継続が大事です
虫歯や歯周病は細菌感染による慢性的な疾患であるため、メンテナンスを継続することが大事です。
自宅での毎日のセルフケアと、クリニックでの定期的なプロフェッショナルケアで、健康的な口腔内を維持する効果を得ることができます。
自分の歯で好きなものを食べられるというのは、大きな喜びです。
それを可能にするのがメンテナンスです。
また、定期的なメンテナンスにより、新たな虫歯や歯周病を早期に発見し、治療することができます。
