虫歯・歯周病予防
【3DS除菌治療】
口腔内の病原性細菌を化学的に除去する事が可能
3DSとは、Dental Drug Delivery Systemの略で、口腔内に定着した病原性細菌を除菌するために用いられる方法の一つです。
口腔内の細菌は目視できません。
歯並びが悪い場合、歯ブラシで口の中をきれいに磨いたとしても、歯科医院でプロフェッショナルクリーニングを受けても、すべての細菌を除去することは困難です。
細菌が増殖すると、むし歯や歯周病の原因になります。
3DS除菌治療は特に、歯磨きがきちんとできていない人、歯並びの悪い人、歯ぐきから出血している人、歯周ポケット（歯と歯ぐきの間の溝）が4mm以上ある人、口臭が気になる人におすすめします。
虫歯や歯周病の原因となる細菌は、口の中で繁殖します。
これらの病原性細菌を化学的に除去することで、虫歯や歯周病を予防する方法が3DS除菌です。
3DSでは、歯石などを丁寧に除去した後、口腔内の細菌バランスを化学的に整え、健康な状態にします。
薬用治療として、トレー（マウスピース）を装着し、短期的に病気のリスクをなくし、薬用効果で口の中の細菌を減らすことができます。
歯周病菌の特徴
歯周病菌はブラッシングだけでは取り除けません
歯周病菌は、歯と歯ぐきの間の歯周ポケットと呼ばれる空間の奥深くまで入り込んでいます。
しかし、私たちが使っている歯ブラシは3mm程度までしか届きません。
歯科でのクリーニングですら、菌が歯周ポケットの奥まで入り込んでいる場所には届きません。
しかし、この歯周ポケットに定着した細菌を除去しなければ、歯周病の再発を招くことになります。
虫歯や歯周病の菌は、唾液を介して拡散する
虫歯菌や歯周病菌は唾液を介して他人に感染するので、パートナーがいる方やお子さんがいる方は、感染を防ぐことが大切です。
クリーニングの効果と
3DS除菌の効果
スケーリング / SRP：大まかな歯石取り
健康保険適用のスケーリングとSRPと呼ばれる定期的なクリーニングで、歯磨きでは落としきれない歯石（虫歯や歯周病を進行させる細菌の塊）をおおまかに除去することができます。
しかし、歯の内部や歯周ポケットの変色をすべてきれいにすることはできません。
保険適用のクリーニングでは、清掃する部位や清掃手順が指定されており、歯面全体や口腔内全体を清掃することが難しいためです。
歯石やSRPは一時的に衛生状態を回復させますが、環境そのものを改善することは難しく、細菌が繁殖しやすい傾向にあります。
PMTC：歯の変色や歯周ポケットのクリーニング
PMTC（Professional Mechanical Tooth Cleaning）は、歯に付着した汚れや歯周ポケットに沈着した細菌を丁寧に除去する治療です。
PMTCでは、歯の表面に付着したプラークや歯石、変色を専用の器具で徹底的に除去します。
コーヒー、緑茶、赤ワインを常飲する人、カレーやチョコレートを食べる人、タバコを吸う人などに推奨される治療法です。
PMTCは、虫歯や歯周病の予防、歯周病や歯肉炎の改善、歯質の強化、自然な美しさの回復に効果的です。
3DS: 唾液などに含まれる歯周病菌の抑制
歯周病菌は歯石だけでなく、唾液の中にも潜んでいます。
これを退治しないと、歯周病の再発・進行につながり、残念ながらブラッシングや歯石除去だけでは非常に困難なのです。
クリーニングで歯の細菌を減らしても、生き残った細菌が再生して歯を再汚染することがあります。
PMTCは物理的に口腔内の衛生状態を改善し、3DSで細菌を殺菌し、悪性度の高い虫歯菌や歯周病菌を減らし、口腔内の細菌バランスを整えて、この悪循環を止め、お口を健康な状態にしています。
パートナーや子供と一緒に3DS除菌をすることを推奨しています。
3DSによる治療は、病原菌を除去するだけでなく、プラーク（歯垢）の形成を強力に抑制するため、虫歯や歯周病になりにくいという特徴があります。
3DS除菌は、口の中の善玉菌と悪玉菌のバランスを再構築するために行われます。
虫歯や歯周病菌は唾液を介して感染するため、パートナーやお子さんがいる方は一緒に3DSを受けることをおすすめします。
3DS除菌治療はこんな方におすすめです
- 歯周病が進行しやすい方
- よく虫歯になる方
- 入れ歯や詰め物を使用している方
- 口臭がある方
- 乳幼児のいる方
- 矯正治療を始めたい方
- オーラルケアに自信のない方
- より健康に気を配りたい方
- 乳歯から永久歯に生え替わる際の感染予防
3DS除菌治療の流れ
- 1. 上下の歯の型を取って、フルオーダーメイドのマウスピースを作成します。
- 2. 歯科衛生士がPMTCを行い、口腔内を清掃します。
- 3. マウスピースの内側に薬剤を塗布します。
- 4. マウスピースを装着し、約5分間待ちます。
- 5. 口をゆすいでください。
医院での3DS除菌をしてから1週間は毎日、ご自宅でマウスピースにフッ素を塗布し、毎日5分程度装着します。
フッ素の効果で歯の表面にバリアが形成され、殺菌効果が長持ちします。
3DSをすると、殺菌効果が口の中に広がり、爽快感があります。
また、虫歯菌の数が減るので、虫歯にずっと悩んできた方も普段のセルフケアだけで予防できるようになります。
当院では、PMTCと3DS除菌治療を併用することで、最も効果的なむし歯予防を行っています。
