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コラム

歯周病が糖尿病を悪化させる?


皆さん、こんにちは。
久喜市の歯医者「ハートデンタルクリニック」院長の定岡です。

昨今、歯周病が全身へ悪影響を及ぼすことが知られるようになりました。
歯周病は口の中だけの病気ではありません。
今回は国民病となりつつある糖尿病と歯周病の相関についてです。

 

糖尿病とはどんな病気?

糖尿病は、膵臓から分泌されるインスリンが少ないか、または十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖(血糖)が増えてしまう病気です。
糖尿病が怖いのは、悪化した結果起こる合併症です。
高血糖の状態が何年も続くと、血管が弾力を失い硬くなり、ボロボロにいたんでいきます。
その影響は血管の99%を占める毛細血管で特に顕著で、血液の流れが悪くなり、酸素や栄養の供給も滞ります。
腎臓などの内臓や網膜には毛細血管がはりめぐらされており、神経に栄養を運ぶのも血管です。
ですから、糖尿病により血管がいたみ続けると、やがては臓器不全(腎不全から人工透析に)や失明、神経障害などの合併症に至ることがあります。

 

インスリンの働きが悪くなる?

前述した通り、人の膵臓からは、インスリンという血糖を下げるためのホルモンが分泌されています。
このインスリンが十分に働かなくなり、血液中を流れるブドウ糖を体内に取り込めなくなると高血糖になります。
インスリンが働かなくなるケースには、
①インスリンの分泌自体が減っている
②インスリンの効きが悪くなっている(インスリン抵抗性)
の2つがあります。日本人の糖尿病患者さんの約95%は2型糖尿病と言われていますがこれは②が多いです。
インスリンの効きを悪くするのは、体の中で起こる「炎症」です。
実は脂肪を溜め込んだ内臓脂肪は、免疫細胞を刺激して、体に炎症を起こしています。
この時生み出される炎症物質が血流に乗って体内に広がり、インスリンの働きを邪魔します。

 

「炎症」でつながる2つの病気

炎症と言えば、歯周病もお口に炎症を起こしています。
腫れや出血、痛みは炎症のせいです。
歯ぐきで免疫細胞と細菌の戦いの結果生じた炎症物質が、同じように血流に乗って体内に広がり、インスリンの働きを邪魔します。
つまり、糖尿病と歯周病になっている場合、内臓脂肪からの炎症に加え、歯ぐきで起こっている炎症がダブルでインスリンの働きを邪魔するのです。
「歯周病が糖尿病悪化させる」とはこういうことです。

歯周病は沈黙の疾患(痛みがなく進行する病気)と言われています。
歯周病は歯を失うだけでなく全身への病気にもつながります。
ぜひ定期健診を受けてお口の健康だけでなく、体の健康管理もしましょう!


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