埼玉県久喜市青毛の歯医者 | ハートデンタルクリニック |

コラム

むし歯と代用甘味料について


皆さん、こんにちは。
久喜市の歯医者「ハートデンタルクリニック」歯科衛生士の秋庭です。

秋と言えば皆さんは何を思い浮かべますか。
私は間違いなく「食欲の秋」が浮かんできます。
来院者さんからも「秋になると一気に食欲が増してくるの!」
と聞くことが増えてきました。
そんななか、先日ある患者さんから「代用甘味料はむし歯の予防に効果があるんですか?」
という質問を受けました。
そこで今回はむし歯と代用甘味料についてのお話をさせていただきます。

 

むし歯ができるまで

まず、むし歯ができるまでの過程はご存じでしょうか。
むし歯の主な原因菌「ミュータンス菌」は砂糖(ショ糖)を代謝する性質があります。
ミュータンス菌が砂糖(ショ糖)を代謝することで以下のことが起こります。

①歯を溶かす酸が発生します。
②水に溶けず、強い粘着力で歯に強力に付着するグルカンと呼ばれるものを作り出します。
このグルカンに、ミュータンス菌を主としたむし歯の原因菌などが付着し
プラークバイオフィルム(※)を形成します。
砂糖(ショ糖)を分解しグルカンを形成する能力があるのはミュータンス菌のみです。
※プラークバイオフィルム・・・細菌の集合体

以上の背景から、むし歯ができる上でミュータンス菌と砂糖(ショ糖)の存在がポイントになります。

 

代用甘味料はむし歯予防に効果がある?

では、本題である代用甘味料は本当にむし歯予防に効果があるでしょうか?
結論から言うと、代用甘味料だけでむし歯予防をするのは難しいです。

なぜかというと、
粘着性グルカンの形成には砂糖(ショ糖)のみが材料として使われますが、
歯を溶かす酸を産生する材料には砂糖(ショ糖)以外にも他の糖類も利用されるからです。
つまり、むし歯の予防にはミュータンス菌をはじめ他の菌たちの足場となる
グルカンの形成の抑制も大事ですが、歯を溶かす酸の産生を抑制するのも同時に大切になってきます。
グルカンを作らせない、酸を産生させない、
この2つに対して効果的な代用甘味料でないとむし歯予防はできないわけです。

そこで、グルカンの形成を抑制し、酸の産生も抑制するものに「パラチノース」という代用甘味料があります。
しかし残念ながらこのパラチノースを利用した食品はとても少ないのが現状です。
結果として、むし歯予防はミュータンス菌の餌となる砂糖(ショ糖)の摂取量、回数を抑えることが現実的なようです。

砂糖(ショ糖)との付き合い方を知るには、まずは自分のミュータンス菌の量を知ることが必要です。
当然菌の量が多いとそれだけむし歯になるリスクも上がります。
当院では唾液検査を行い、1人1人にあったむし歯予防方法を提案しています。

まずは自分の口腔内を知ることが予防の第一歩になります。
生涯自分の歯でおいしい食事と栄養を摂取出来るようにしていきたいですね。


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